前回のぴこはな理事座談会で、現役子育てママの理事たちが、現場でリアルに感じている子育ての課題について語りました。

では、その先にどんな社会を目指しているのでしょうか。
ぴこはなが目指しているのは、単に子育ての困りごとを解決することではありません。子どもも大人も、「生まれてきてよかった」と思える社会をつくること。
今回は、NPO法人ぴこはなの理事メンバーが、ぴこはなが描く未来について語ります。
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自己効力感の高い子どもを育てたい
ぴこはなが目指している未来について語る中でメンバーから何度も出てきた言葉。それは、「自己効力感の高い子どもを増やしたい」という想いです。
自己効力感とは、「自分ならできる」「自分には価値がある」「困難があっても乗り越えられる」という感覚のこと。いずみさんは、子どもたちにその力を育んでほしいと話します。
いずみ「生まれてきてよかったと思える子どもを増やしたいんです。自分が生まれた場所や家族、自分自身に誇りを持って、『自分なら大丈夫』と思える子どもたちを育てていきたい。
ありのままでいいっていうのが、流行ってしまいましたが、『できない自分もいいよねっ』っていうのは、ちょっと違うかなと思うんですよね。いや、できるから!って。
ぴこはなも『ありのままでいい』という価値観を持っていますが、できないままでいい、とは違います。自己効力感が結局、人生を大きく左右すると思うんです。」
ただ、そのためには子どもだけに働きかければいいわけではありません。いずみさんは、「まずは大人自身が、自分の人生や今いる場所に希望や誇りを持てることが大切」だと語ります。



「こんな家だから…こんな地域だから…こんな時代だから…と諦めながら子どもを育てるのではなく、大人自身が未来に希望を持ち、その背中を見せていくこと。その姿こそが、子どもの自己効力感を育てる土台になると考えています。」
私たちNPO法人ぴこはなは、子どもへの支援だけでなく、親や地域の大人たちが学び、支え合い、元気になれる環境づくりを大切にしています。
子どもたちに「自分にはできる」という自己効力感を育むために、まずは大人たちが、「私にもできるかもしれない」と思える社会を増やしていきたい。
それが、ぴこはなが描く未来の一つです。
愛と安心は循環する
ぴこはなの理事たちが未来について語る中で、出てきたキーワードは「循環」。
困ったときに誰かに支えてもらう。話を聞いてもらう。助けてもらう。そして、自分に少し余裕ができた時に、今度は誰かを支える側になる。
そんな循環が地域の中に自然と生まれていくことを、ぴこはなは大切にしています。



「私自身が、最初すごく辛くて、みんなに支えてもらって、そこから支援する側に回ろうと思えた経験があります。その循環をぴこはなで作っていきたいです。」
支援する人と支援される人を分けるのではなく、誰もが人生のどこかで支えられ、誰かを支える存在になれる。それが、ぴこはなが考える支援の形です。



「AIに相談する親が増えているという課題がありますが、ぴこはなだからできることは、何かありますか?」



「人と人をつなげる力かなと思います。
子育てって、やっぱり一人ではできないんですよね。
誰かとつながることで安心できたり、前を向けたりする。そうやって人は少しずつ元気になっていくんだと思います。
お母さんたちって、本当は悩んでいても口に出せなかったり、『こんなこと相談したらダメなんじゃないか』って思いながら頑張っている人が多いんです。
でも、ぴこはなには『そのままのあなたで大丈夫だよ』って受け止めてくれる人がいるんですよね。」



「ぴこはなは理事も設立メンバーも、たくさんのママたちがいます。一見、みんなキラキラして余裕で子育てしているように見えるかもしれません。
でも、その分、みんなたくさん悩んできました。同じように悩んだ人同士だからこそ、助け合えたり、『ここは頑張らなくていいんだ』って気づけたりするんです。それだけじゃなくて、『自分にも、これならできるかもしれない』という新しい可能性に気づくこともあります。」
人との出会いによって視野が広がり、自分を責める気持ちが和らぎ、新しい一歩を踏み出せることがあります。愛と安心は、誰かが一方的に与えるものではありません。
人から人へ。親から子へ。地域から家庭へ。そして支えられた人から、また別の誰かへ。
その温かな循環が広がっていくことで、子どもたちも大人たちも、安心して暮らせる社会に近づいていくことができます。ぴこはなが目指しているのは、そんな愛と安心の循環が生まれる社会です。
頼れる社会を当たり前に
ぴこはなが目指しているのは、「困ったら頼っていい」が当たり前になる社会です。理事のふみこさんは、子育てをする中で感じている違和感についいて語ります。



「まだまだ、家事も育児もママがやるのが当たり前、という空気が残っていると感じます。だからこそ、子育ては一人で抱え込むものではないということを伝えていきたいんです。」
子育てに悩んでいても、「これくらい自分でやらなきゃ」「迷惑をかけたくない」と助けを求められない人は少なくありません。けれど本来、子育ては一人で頑張るものではなく、周りと協力しながら行うものです。
ふみこさんは、「頼っていいよ」というメッセージを社会全体で届けていきたいと話します。



「頼れる人が、ぴこはなにはたくさんいます。勇気がいるかもしれないけれど、安心して飛び込んできてほしいんです。」
そして、その「頼れる社会」を支えるのが、人と人とのつながりです。
のぞみさんは、ぴこはなの価値を「一歩踏み出せるコミュニティ」であることだと語ります。



「1人で考えているだけでは見えてこなかったことが、人と関わることで、見えてくる。
だから私は、悩んでいる人ほど、一歩踏み出して、誰かとつながってみてほしいなと思っています。」
子育てに必要なのは、完璧な親になることではありません。
安心して悩みを話せること。困った時に頼れる人がいること。そして、必要な時に一歩踏み出せる場所があること。ぴこはなは、そんな人と人とのつながりを育みながら、誰もが安心して頼れる社会を目指しています。
子どもも大人も、生まれてきてよかったと思える社会へ
ぴこはなの活動の先にあるのは、イベントや支援制度を増やすこと、学びの機会や居場所の提供だけではありません。
目指すゴールは、子どもたちが「生まれてきてよかった」と思える社会。「生まれてきてよかったと思える子どもを増やしたい」という願いを叶えていく活動を行います。



「みんなが『ここに生まれてよかったよね』って思えるようにしていきたいんです。子ども一人ひとりが、自分の存在や未来に希望を持てる社会にしたい。」
そのために必要なのは、子どもだけを変えることではないと、私たちは考えています。子どもの自己効力感は、周りの大人たちの在り方と深くつながっています。
大人自身が人生に希望を持ち、自分を大切にし、人とのつながりの中で安心して生きられること。
大人もまた、自分の人生や地域、家族に希望を持てる社会。
その姿を見て育つからこそ、子どもたちも、「自分は大丈夫」「生まれてきてよかった」と感じられるようになるのではないでしょうか。
だからぴこはなは、子どもだけでも、親だけでもなく、地域も企業も行政の人とも手をつなぎ、人と人とのつながりそのものを育てていきたいと考えています。
困った時に頼れる人がいること。安心して話せる場所があること。支えられた人が、今度は誰かを支える側になれること。誰かが誰かを支え、その支えられた人がまた誰かを支える。
そんな愛と安心の循環が広がっていく先に、子どもも大人も、生まれてきてよかったと思える社会があると、私たちは信じています。
次回の理事座談会では、『居場所づくり』では終わらない、ぴこはなが考える孤立予防についてお届けします。






